GL.iNetよりGL-XE300 EG25-G (Puli) を頂いたのでレビューします。
OSにLinuxベースでオープンソースOSのOpenWrtを採用し、WANとLANポートがそれぞれあったり、microSDのスロットがあったりと、普通のモバイルルーターにはない独自性と拡張性があるルーターです。
GL.iNetの製品は去年もレビューしましたが、毎回ユニークな製品を発売していますね。
GL.iNet GL-XE300 (Puli)
商品提供:GL.iNet
スペック
モデム | GL-XE300 (Puli) |
---|---|
CPU | QCA9531, @650MHz SoC |
メモリ | DDRII 128MB |
ストレージ | 16MB NOR + 128MB NAND |
インターフェイス | WAN (1000Mbps),LAN (1000Mbps),USB 2.0 Type-Aポート,Type-Cポート, リセットボタン,microSDカードスロット (512GBまでサポート), NanoSIMスロット |
周波数 | 2.4GHz, 5GHz |
転送速度 | 300Mbps (2.4GHz) |
最大送信電力 | 20dBm (2.4GHz) |
プロトコル | 802.11 b/g/n |
外付けドライブフォーマット | FAT32/NTFS/EXT4/EXT3/EXT2 |
電源 | 5V/3A |
消費電力 | 4.4W |
サイズ,重量 | 120 x 74 x 28mm, 223.5g |
こういった製品を扱うのであれば、技適が気になるところですが、総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器」に含まれているので、堂々と安心して利用することが出来ます。
今回レビューにあたって提供頂いたモデル(日本Amazonで取り扱っているモデル)は、グローバルモデルで対応バンドが広く、日本国内の4キャリア(docomo、au、softbank、Rakuten)の全ての主要バンドをカバーしています。もちろんプラチナバンドも掴めます。
↓対応バンド
LTE FDD: B1,B2,B3,B4,B5,B7,B8,B12,B13,B18,B19,B20,B25,B26,B28
LTE TDD: B38,B39,B40,B41
WCDMA: B1,B2,B4,B5,B6,B8,B19
GMS: B2,B3,B5,B8ドコモ
B1,B3,B19,B28au
B1,B18,B26,B28,B42ソフトバンク
B1,B3,B8,B28楽天(B18,B26はauとのパートナーエリアの対応バンドです)
B3,B18,B26
対応バンド情報がAmazonの商品ページや公式ページや公式ショップには書いてないのですが、公式のAliexpress内ショップの商品ページには書いてありました。
これだけ何でもありなWi-Fiルーターなのですが、5Ghz帯のWi-Fiを扱うことが出来ません。
送受信ともに出来ないようです。ただ、OSがOpenWrtがという強みもあって、OpenWrtが認識できるWi-Fi子機を用意すれば5Ghzを出力することもできるようです。
パッケージ
本体が大型化したこともあり、箱も大きめです。
日本で売ることを前提としたパッケージのようですね。
付属品
付属品は、5V/3A出力できるACアダプタ、LANケーブル、簡易マニュアルとなっています。
付属のマニュアルは簡易的なものですが、オンラインで詳細なマニュアルを公開しています。
執筆時では日本語のマニュアルが用意できていないようですが、英語版であってもスクリーンショット付きなので、十分だと思います。
外観
5,000mAhもの内蔵バッテリーのせいなのか、ずっしりと重みがあります。
大きさも普通のモバイルルーターを2周りくらい大きくしたくらいのサイズ感です。身近なものだと8,000mAhから1,000mAhくらいの大容量モバイルバッテリーくらい。
裏面、側面ともに冷却性を高めるための穴がたくさん空いています。
側面のスロットようの蓋を開けるとMicroSDとNanoSIMのスロットが出てきます。画像はSIMカードを挿入しています。
有線LANは置型のルーター同様にWANとLANがあります。このポートがバッテリー駆動のモバイルルーターにあるのは新鮮ですね。
大きいだけあって、発熱はだいぶ防げているようです。Web上で確認できるCPU温度は、LTEとWi-Fiを利用していても36.6度くらいで安定しています。
機能
OpenWrt がベースとはいえ、基本のWebUIは独自のWebUIが用意されています。もちろん日本語対応しています。
APN設定、DHCP設定、Wi-Fiリピーターモードの設定、VPN(OpenVPN,WireGuard)設定等の普通のルータープラスアルファ程度のことであれば、このWebUIで十分設定出来ます。
OpenWrt(Luci)
OpenWrtのパッケージを追加したり、SSHで色々したい場合のために「高級機能」として、OpenWrtのLuciのページも用意されています。
デフォルトではLuciのパッケージが入っていないので、一度インターネットに接続してパッケージを取得する必要があるようです。ワンタッチで出来るので、簡単にOpenWrtでおなじみの画面に飛べます。
LTEに接続
手元にヨドバシで10円でiPhone SE(2020)を買うためだけに契約したソフトバンクのSIMがあったので、これを挿入してみました。
APNが画像のように公式で公開されているのとは別のものでしたが、ちゃんとインターネットに繋がることを確認出来ました。
速度もルーター側による速度低下が見られることはなく、回線そのものの速度が出ている感じです。ルーター自体の処理性能は実用上大きな問題が出ることはなさそうです。
あっさり繋げてしまったので、これといって忘備録を残す要素すらありませんでした。
普通のモバイルルーターとして使うのも全然ありだと思います。
USBテザリング
USBテザリングをiPhoneやAndroidから本機に行い、本機からWi-Fiを出力させたり、有線LANに流したり出来るというもの。
スマホのバッテリー消費を抑えつつ、結構強いWi-Fiを放出できるので外出先で複数のデバイスをWi-Fiに接続させるときに使う価値がありそうです。
中継モード(リピーターモード)
本機をWi-Fi中継機として使うモードです。
近くに飛んでいるWi-Fiを掴んで、それをWANとしてWi-Fiを飛ばすモードになります。
総括的な何か
基本的にはVPN機能付きモバイルルーターというのが主ですが、その副産物として拡張性が非常に高いので、分かる人には分かる面白いモバイルルーターになっています。
技適取得済みとはいえ、搭載機能的に限定された人しか買わなそうなモバイルルーターですが、価格は意外と安いです。
しかも、Aliexpressで個人輸入するより日本アマゾンで買う方が安いです。
気になる方は購入してみてはいかがでしょうか。
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