Mobvoi製Wear OS by Google(旧:Android Wear)搭載スマートウォッチ「TicWatch Pro 5」をメーカーより頂いたのでレビューします。
Wear OSは、Googleから発売されているPixel Watchにも搭載されているAndroidベースのウェアラブルデバイス向けのOSです。
他社から販売されているスマートウォッチの多くがメーカー独自のOSであることが殆で、今回レビューする「TicWatch Pro 5」のようにGoogle以外のメーカーでWear OSを搭載しているスマートウォッチはあまり多くありません。
Wear OSを搭載しているメリットとしては、Androidと同じくウェアラブル向けのGoogle PlayストアやGoogle Mapsなどが用意されており、他社製の独自OSを搭載したスマートウォッチよりもサード製アプリケーションが多く利用できることができます。
TicWatch Pro 5
提供: Mobvoi
外観と特徴
表面はこんな感じです。
TicWatchのフラッグシップモデルということもあり、画面表示領域が広く縁が狭いです。
TicWatch Pro 5は、2層式ディスプレイを採用していて、Wear OSの画面(AMOLEDディスプレイ)の消灯時に、超低消費電力ディスプレイ(FSTN液晶)が表示させてバッテリー持ちが良くなるようになっています。
通常時はこのようなAMOLEDの鮮やかな色彩の表示になります。
無操作状態や腕を水平にして時間を確認する際は、超低消費電力ディスプレイ(FSTN液晶)で表示されるようになっています。
側面にはボタンが2つ付いています。
右上のボタンはプッシュ式で、右端のボタンはダイヤルとプッシュが可能なボタンです。
AndroidベースのWear OS by Googleは、他のメーカー独自OSに比べてバッテリー消費が激しいため、バッテリーサイズが大きく、本体の厚さがそれなりにあります。
これは、上記OSの特徴なのでメーカーにかかわらず厚さがあるようです。
充電は専用のマグネット式充電ケーブルを使って充電します。
機能
製造や販売をしているのは、GoogleではなくMobvoiという会社ですが、搭載されているOSにGoogleが開発しているWearOSを採用しています。そのため、他社のスマートウォッチと異なり、Googleのサービス(カレンダーとの連携機能やGoogleマップなど)、Androidの機能と親和性が非常に高いです。
LINEなどのメッセージアプリの返信が可能
他社のスマートウォッチ製品との違いとしては、メッセージアプリの返信が出来ることです。
画像のように、スマートウォッチ内でアプリ通知に対して返信ボタンが表示されます。
音声入力、絵文字、キーボードで返信できます。
文字をキーボードで入力は可能ではあるものの、快適に入力出来るとは言えないので、絵文字くらいだと思います。
ここまでの機能は、Androidの通知機能のAPIを利用したものです。
LINEは汎用のAndroid通知機能のAPIも利用できますが、LINEから提供されているWear OS専用アプリを利用するとLINEスタンプを送信したり過去のトーク履歴を遡ったりすることができます。
【Wear OS 搭載スマートウォッチをご利用の方へ】
スマートウォッチからLINEの新着メッセージを見たり、簡単な返信ができるようになりました⌚️✨スマホが近くになくても、いつでもメッセージを確認できます👍
▶️ https://t.co/RX8j8miIjl※「LINE」12.3.0、watchOS 3.0、Android 6.0以上で利用可能 pic.twitter.com/e2Z6eiEbuD
— LINE (@LINEjp_official) March 10, 2022
過去にレビューしたTicWatch E3ではWear OSのバージョンが2.38だったため利用できませんでしたが、今回レビューしてるTicWatch Pro 5は現行最新バージョンのWear OSである3.5が搭載されているため問題なく利用することができました。
Wear OS向けLINEアプリは、トーク相手ごとの過去数回分のトーク履歴を参照したり、LINEスタンプを送信することができます。ただし、LINEスタンプの送信は、LINE公式の一部のLINEスタンプのみに限定されています。トーク相手から送られてくるスタンプの表示には制限がないようです。
Googleマップが表示出来る
個人的にはこれをするためだけに購入する価値があると思います。
画像では地図表示のみですが、ルート案内を地図と一緒に表示してくれるので、知らない場所を移動する際にスマホをポケットから頻繁に出し入れする必要がなくなり楽です。
Wear OS以外のOSを搭載するスマートウォッチでは、瞬時に地図を取得し表示してくれるアプリがないため、このようにGoogleマップがシームレスに利用できることは大きなメリットだと思います。
天気予報の情報提供元がウェザーニュース
Googleアシスタントなどで確認出来る天気予報を表示してくれます。
スマートウォッチを使ったことのある人ならわかると思いますが、大体この天気予報機能は海外メーカーの場合情報提供元が海外で、日本の天気がデタラメなことが多いです。
しかし、Googleのスマートウォッチ向けOSであるWear OSでは、Googleが天気予報の情報元として提携しているウェザーニュースの情報が表示されるため、比較的信頼できる天気予報が表示されます。
標準のカレンダーアプリがGoogleカレンダーと同期可能
標準の予定表示機能は、Googleカレンダーから同期可能になっています。
Wear OSを搭載したスマートウォッチを管理する専用アプリ「Wear OS」からアカウント毎やカレンダーの同期設定が可能です。
他社製スマートウォッチOSでは、ここまで詳細な同期設定やGoogleカレンダーの同期機能がないので非常に便利です。
多彩なアプリが利用可能
TicWatchの製造メーカーであるMovboiが用意しているアプリ以外にもPlayストアからアプリを追加することが出来ます。
ウェアラブル用のPlayストアは、アイコンこそAndroidスマートフォンのものと同じですが、配信されているアプリが全く同じという訳ではありません。ウェアラブル用のPlayストアで配信されているアプリは、デベロッパー側でウェアラブルデバイス向けの最適化を行っているものだけしか公開されていません。
上記のことから、アプリが追加出来るとは言え、Wear OS搭載スマートウォッチがApple Watch程の普及をしていないので、アプリを開発するデベロッパーが付いてこれていないようです。
個人的には、PayPayなどQR決済系、サード製天気予報アプリ、ニュース系アプリなどが対応すると嬉しいのですが、現状は対応されていません。正確には日本国外向けに同様のサービスを展開するアプリは対応しているのですが、先程挙げたようなアプリで日本国内に特化したサービスやコンテンツを扱うアプリが対応されていないのが現状です。
Google、Samsung(Galaxy)、FOSSIL、OPPOなどメーカーを跨って共通のOSを搭載しているため、ユーザー数はそこそこいると思うので、国内向けアプリの充実は今後に期待かなと思います。
Wear OS by Googleというだけあって、Google系サービスは一通りWear OS向けアプリが用意されています。
Google Keepアプリではリスト表示をサクッと確認したり、チェックしたりが可能(もちろん同期される)ため非常に便利です。
Spotifyアプリでは、曲送りや曲戻し以外にプレイリストを選んだりすることが出来ます。
総括的な何か
2層式ディスプレイを採用しているため、腕時計としての機能を担保しつつ電池持ちが良く、SoCとしてQualcommのSnapdragon W5+ Gen1を搭載しているため、動作がスムーズかつ低発熱で低消費電力です。
TicWatchシリーズが長くWear OSを扱ってきているだけあって、他のメーカーではありがちな発熱やフリーズが起きることなく、チューニングが優れているように感じました。
2層式ディスプレイや低消費電力のSoCのおかげで、通常1日1回は充電が必要なWear OSを搭載していますが、Pro 5なら2日くらいは持ってくれます。
他社製スマートウォッチのような「2週間の電池持ち!」とまではいきませんが、リッチなアプリが動きますし、充電の手間分位の相応なメリットがあると思います。
Wear OSで配信されているアプリに魅力を感じた方や、ウェアラブル版GoogleウォレットのNFC決済機能を利用してみたいという方におすすめできるスマートウォッチです。
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