KDE系デスクトップで一部の日本語がなかったので言語パックをビルドしてみた

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全然情報がなくて困ってたけど出来たのでメモ。

タイトル通り、KDE PlasmaやKDE neon、Kubuntuなどで使える言語パック(l10n-kf5-ja相当)をビルドしてみたという話です。

サーバー版UbuntuにKDEを入れてみたら一部UIが英語だけで日本語にならないというときに使えるTipsです。

l10n-kf5-jaのビルド方法

なぜビルドするのか

できればaptやpacmanで管理したいのですが、全くメンテナンスされてないらしくインストールできませんでした。

kde-l10n-ja package : Ubuntu

他のディストリは状況が違うのかもしれませんが、少なくともUbuntuではこんな感じです。

最新が2018年(4年前)なので、インストールできても翻訳が噛み合わない部分もありそう。

そして、調べてみるとi18nなのかl10nなのかが良くわからないし、開発サイドもごちゃまぜなので結局よくわからない。国際化と地域化のことらしいですが、言語表示だけならどっちも当てはまるんですよね…

公式で配布されているLive CDからインストールする場合は、ビルド済みの最新の言語データが含まれているらしく、今回の件で困る人は少ないらしい。そのせいか、全くと言っていいほど言語ビルドに関する情報が出てこなかったみたいです。

言語ファイルをダウンロードしてくる

KDE Localization - Japanese Team (ja)
K Desktop Environment Homepage, KDE.org

KDE Localizationの公式サイトで「Japanese Team (ja)」なるものが存在することが確認できます。

2022年9月時点ではkf5ですが、後々バージョンが上がると思うので上記URLは作業前にチェックしてください。

ダウンロードは、Apache Subversionを使う必要があります。これはaptからsubversion-toolsなどを入れることで解決するので説明を割愛します。

Checkout PO filesのところのURLの末尾を消して、jaフォルダをダウンロードするようにしてください。

例:

svn co svn://anonsvn.kde.org/home/kde/branches/stable/l10n-kf5/ja/

今回はstableを使います。

ビルドスクリプト

ビルドスクリプトはsvnではなく、KDEの公式Gitlabにあります。

スクリプトの場所がなかなか分からなかったので、すごく時間を浪費しました(ため息)。

https://websvn.kde.org/trunk/l10n-kf5/README?view=markup

(更新されていないReadmeを信じてはいけない)svnのビルドスクリプトは13年前のものだったりします。

Directories of the l10n-kf5 Module

なんでうまくいかないのだろうと、ネットの海をウロウロして行き着いたのが公式にが用意している翻訳ドキュメントの一番下の部分でした。分かりづらいので、もっとアピールして欲しい。

Sysadmin / Scripty · GitLab
Localization and Internationalization Service Bot

結構頻繁に更新されている模様です。

git clone https://invent.kde.org/sysadmin/l10n-scripty

コードをGitでクローンします。

必要そうなパッケージ

言語ファイルのビルドとはいえ、依存関係が存在するらしく、色々入れる羽目になりました。

sudo apt install extra-cmake-modules kdoctools5 libkf5doctools-dev qttools5-dev qttools5-dev-tools libkf5i18n-dev

多分これで足りるはず…。色々試行錯誤したので、他にも必要なパッケージがあるかもしれません。

エラーが出たらライブラリ名でググってパッケージを入れれば解決すると思います。

ビルド

上記のコマンドをコピペするとl10n-scriptyフォルダとjaフォルダが同じディレクトリにあると思います。

その状態で下記のコマンドを実行すればビルドできます。

./l10n-scripty/autogen.sh ja
mkdir ja_build
cd ja_build
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr ../ja
sudo make install

言語設定をする

言語設定で日本語だけにする必要があるみたいです。そうしないと、フォールバックで英語になります。

ちゃんと適応できていれば右側の画像みたいにUIが日本語になるはずです。

総括的な何か

KDE Plasmaは完成度高いですね。結構重いですが、MacみたいでUIが美しいです。

UbuntuのCLI版にPlasmaを入れるならKDE Neonのレポジトリを入れた方が互換性が良さそうです。

gpg --keyserver keyserver.ubuntu.com --recv-key E6D4736255751E5D
gpg --export E6D4736255751E5D | sudo tee /etc/apt/trusted.gpg.d/neon-keyring.gpg >/dev/null
gpg --delete-keys E6D4736255751E5D
sudo apt-add-repository http://archive.neon.kde.org/user/
sudo apt install neon-desktop

KDE NeonはKDEが主導でメンテしているので実質のところ、素のPlasma Desktopという立ち位置みたいです。Androidに例えるとPixelといった感じ。

起動コマンドもPlasmaのものなので、使い勝手は同じです。

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