エントリー向けスマートウォッチ「Amazfit Bip 3 Pro」をメーカーより提供頂いたので、レビューします。
スマートウォッチ黎明期である2015年から現在まで専門メーカーとして販売を続けているAmazfitシリーズとしてのエントリーモデルであるため、スペック表記だけの見掛け倒しではない良さのある満足度の高いスマートウォッチに仕上がっています。
Amazfit Bip 3 Pro
提供: Zepp Health
本商品は、GPS搭載のProモデルと非搭載の無印モデルが存在します。
今回レビューするのは、GPS搭載のProモデルです。
Amazfit Bipシリーズをおさらい
当サイトでは、個人的な趣味で購入した初代Amazfit Bipがとても満足度が高く面白いガジェットだったので、Amazfitシリーズをプッシュしてきました。
Amazfitの中でもBipはあくまでもエントリーモデル(普及モデル)のシリーズになるので、Amazfit Pace,GTR,GTSなどの上位モデルの要素を入れつつ価格を抑えている、そんなシリーズです。
初代 Amazfit Bip

反射式の液晶を搭載していたため、バックライトの消費電力を減らすことが出来るだけでなく、屋外での視認性にも優れていて、常時表示が標準機能として搭載されている非常に完成度の高い製品でした。
仕様の関係で画面部分が小さく、ややチープに見えますが、機能面が同時期の他社製品を大きく上回っていたので、人生初のスマートウォッチとして、この商品を購入しました。
利用感としては、何よりも電池持ちの良さに感動しました。
当時(2017年頃)のスマートウォッチは、長くても2日連続稼働後に充電が一般的だった中で、設定次第で1ヶ月近い電池持ちを実現していました。そして、好きなウォッチフェイスで常時表示機能が使うことが出来たため、「スマートウォッチ、意外といいじゃん!」と思わせてくれる面白い製品だと思いました。
Amazfit Bip S

Amazfit Bip Sは、初代からセンサー類やBluetoothなどを順当にアップグレードされたモデルです。
実機のレビューは行っていませんが、反射式液晶など初代の良さはそのままということもあり、個人的にはこれこそAmazfitだなと感じられる製品でした。
反射式液晶はこのモデルを最後に採用がなくなってしまいました。
これは、アピールポイントの一つである、最大40日という他社のスマートウォッチを大きく上回る電池持ちが、このモデルが最後となってしまうということでもあります。
個人的には残念な決定でしたが、世のスマートウォッチやスマートバンドはAMOLEDが主流で、液晶の特徴の一つであるディスプレイの外枠部分が太いということに時代遅れ感が出てしまうため、この決定は仕方がないことだったのかもしれません。
Amazfit Bip Uシリーズ
Amazfit Bipシリーズとしては、このUシリーズが2世代目と捉えられるようです。
Amazfitブランドにおける上位モデルがGTSやGTRなどになり、反射液晶は非搭載となった流れから、Amazfit Bipも反射液晶ではなくTFT液晶に変更されました。
以前のモデルより高精細な320 x 302の解像度になり、画面の大型化も実現したため、見た目の点では過去モデルのようなチープさがなくなりました。
残念ながら、上記の変更からバッテリー持ちは、約9日間の連続稼働に大きく減ってしまいました。
Amazfit Bip 3シリーズ
そして今回レビューするAmazfit Bip 3になります。
ディスプレイサイズは1.43インチだったBip Uから1.69インチに大型化をしつつも、本体の厚さは11.4㎜から9.65㎜と薄型化、そして、バッテリー容量は230mAhから280mAhに増加しました。
バッテリー容量の増加により、バッテリー持ちが良くなり、最大9日から14日間になりました。
外観
外観は旧モデルと大きく変わらないシンプルな素材です。
コストカットの関係で側面だけ金属などもなく、全てプラスチック製です。
プッシュボタンはスクリュータイプではなく、押し込みのみのボタンです。
ディスプレイ部分は、TFT液晶なのでバックライトの関係で下部分に表示されない領域があります。
一般的なスマートウォッチの上位モデルでは、AMOLEDディスプレイが主流になっているので、やや気になる点です。
画面表示はこんな感じです。
目を凝らしてよく見てみてみるとドットの感じが見えます。
流石に値段が倍以上する上位モデルのAmazfit GTR 3と比較すると劣って見えますが、日常利用で識字出来ないレベルではなく、パッと見では違和感が全くないので実用上十分だと思います。
この価格帯の他社製品では、ディスプレイ表示がジャギジャギのドットまみれのスマートウォッチもあるため、本製品の表示は価格の割にかなり優秀です。

日本国内の技適もしっかり取得されています。
裏側には心拍数、血中酸素濃度を測定するセンサーが搭載されています。
充電ケーブルは、専用のケーブルです。
- ←Bip 3 Pro / GTR 3→
上位モデルと微妙に接続端子が違うので、上位モデルのAmazfit GTR 3のケーブルとは別のケーブルになっています。
スマートバンドやスマートウォッチの充電規格は乱立しまくっているので、同じメーカー内で統一してほしいところです。
機能
OSは、最近のAmazfit製品で採用されている共通オリジナルOSのZeppOSではなく、ZeppOSの登場以前の独自OSになっているようです。
そのため、ZeppOSでは可能なサードパーティのアプリケーションを追加するなどといったことは出来ません。
また、過去のGPS搭載Amazfit Bipに搭載されていたコンパス機能がなくなっていました。気圧や標高表示なども見れて便利な機能の一つだったので、搭載されていないのは残念です。
フィットネス系
ランニングとウォーキング
屋外ランニング、トレッドミル、ウォーキング
サイクリング
屋外サイクリング、屋内サイクリング、BMX
水泳
オープンウォータースイミング
屋外トレーニング
釣り、狩猟、スケートボード、ローラースケート、セーリング
屋内スポーツ
エリプティカル、ローイングマシン、階段クライミングマシン、階段ステッパー、屋内フィットネス、混合エアロビクス、筋力トレーニング、ステップトレーニング、コアトレーニング、柔軟性トレーニング、フリートレーニング、ヨガ、ピラティス、体操、ストレッチ
ダンス
スクエアダンス、社交ダンス、ベリーダンス、バレエ、ズンバ、ヒップホップダンス、ダンス
コンバットスポーツ
ボクシング、レスリング、格闘技、太極拳、ムエタイ、柔道、テコンドー、空手、キックボクシング、フェンシング
ボールスポーツ
バスケットボール、バレーボール、野球、卓球、バドミントン、ソフトボール、スカッシュ、ゲートボール、クリケット、ハンドボール、ボウリング
ウィンター スポーツ
屋外スケート、屋内スケート、カーリング
その他
縄跳び、アーチェリー、馬術
Amaz“fit”というだけあって、フィットネス機能はかなり力が入っています。
無印Bip 3、Proモデルの違いであるGPS機能は、ウォーキングやランニングの記録としてだけでなく、長期移動の登山時やツーリング時などでスマートフォンのバッテリーを節約しつつ、位置情報の記録が出来るので、屋外活動をするのであれば検討してもいいと思います。
ただ、GPSの測位に1,2分掛かることや、奥まった場所での精度があまりよくないということもあるので、ProモデルのGPS機能にはあまり期待しないほうが良いかもしれません。
通知表示
スマートウォッチやスマートバンドの最大の醍醐味である通知表示機能。
本製品は日本語の通知表示も表示できます。四角いディスプレイなので、一度に表示出来る文字数も多いため、スクロールせずに瞬時に情報を確認出来て便利です。
実用上は特に問題なのですが、「今」など一部の漢字が中華フォントになっています。Amazfit製品全般で起きているので、ファームウェアアップデートなどで直してほしいところです。
通知表示などのバイブレーションの強度設定は3段階で設定できます。
「小」だとスマートバンド程度ですが、「強」にすると「ブルブルッ」かなり強く振動出来るので、スマートバンドの振動通知だと通知に気づかない方や、電車などでの仮眠の簡易アラームとしても使えると思います。
睡眠測定
本製品は、Xiaomi スマートバンド(Mi band)シリーズの殆どを製造しているZepp製品のため、睡眠測定機能はかなりしっかりしています。記録自体には他社製品と大きな差はありませんが、アプリ側の表示が優れています。
優れている点としては、昼寝測定や睡眠時の呼吸具合の表示や他のユーザーとの比較など的確なアドバイスが出来る点が挙げられます。
Xiaomi スマートバンド(Mi band)シリーズは、Apple Watchを除くと、価格やブランド力などから世界一売れているウェラブルデバイスなので、他のユーザーとの比較などは他社製品より偏りが少なく、信頼性が高いと言えるのではないでしょうか。
血中酸素濃度(SpO2)測定
本製品は、コロナウイルス流行以降の2020年以降に発売されたスマートバンドやスマートウォッチのトレンドである、SpO2センサーを搭載しています。
しかし、心拍数測定のような時間による自動測定機能はなく、ユーザーがメニューからSpO2測定を呼び出し、手動で測定を行う必要があります。
自動測定が出来ないので、睡眠測定機能の一つであるの無呼吸時症候群の疑い表示などの信頼性に影響しそうな気がします。
ストレスモニタリング
ストレスモニタリングとして、その時のストレス具合をスコア表示してくれます。
また、この機能は上記のSpO2機能とは違って5分に一回の自動測定が出来るので、後から「あのときのストレススコアはどのくらいだろう」という確認が出来るようになっています。
その他
他には、スマートフォンで再生中の曲の操作機能、天気予報表示機能、アラーム機能、カウントダウンタイマー、ストップウォッチ、アラーム、世界時計、スマートフォンのリモートシャッターとして使う機能、To Doリスト、月経周期の表示、などがあります。
スマートウォッチに求める機能は大体搭載されています。
ただ、カレンダーや今後の予定(スケジュールやイベント管理)を表示する機能がありません。
To Doリストは、上記に近いのですが、入力方法がZeppアプリ内のスマートウォッチ管理ページで入力するので手間ですし、Googleカレンダーなどと連携して予定を表示出来る機能があると凄く助かるのですが、そういった機能はないようです。
バッテリー持ち
毎分心拍数測定、一日数十件の通知表示をして、約一週間程度の電池持ちです。
通知や心拍数測定に絞ったスマートウォッチとしては、もう少し電池持ちが良くても良い気がしますが、スマートウォッチとしては、電池持ちの良い方と言えるのではないでしょうか。
過去のAmazfit Bipが一ヶ月近く電池が持っていたので、過去モデルユーザーとしては、この電池持ち具合は複雑な心情ですね。
総括的な何か
Amazfitの過去モデルや上位モデル譲りの機能や管理アプリが手軽な値段で利用出来るので、お値段以上ではあるのですが、もう少し尖った何かがあったほうが良かった気がします。
過去モデルの反射液晶のような唯一無二な機能がないので、本来のターゲットである初めてのスマートウォッチ検討している人が他社の魅力的なエントリーモデルに流れてしまいそうな気がしました。
スマートウォッチやスマートバンドを使ったことがない人に、価格の安さからオススメ出来る商品ではあるのですが、先日Zeppから発表されたAmazfitのオンライン限定ミドルレンジモデル「Amazfit GTS 4 Mini」が数千円プラスで購入出来てしまうので、価格的な有利さも少なく、機能やスペックで劣っているBip 3シリーズの立ち位置が微妙な気がします。
形状もかなり似ているので、Bip 3を検討しているのであれば、GTS 4 Miniも検討した方が良いと思います。
Amazfit GTS 4 Miniなら、ディスプレイは発色の綺麗なAMOLEDで、GPSも高精度で、OSにはZeppOSを搭載しているため、サードパーティの作ったアプリーケーションでGoogleマップのナビゲーション(地図の表示は出来ないものの、何メートル直進などを表示)を表示したり、電卓や株価、為替表示など活用の幅がグッと広がっています。
と、Amazfitシリーズ大好きな私としては、要らぬ心配をしてしまうのですが、Amazfit Bip 3 Pro自体は、フィットネス機能と通知表示にフォーカスしたスマートウォッチという点では十分に全うしていますし、不具合もなく完成度が高い製品に仕上がっているので、非常に良い製品です。
販売ページ
本商品は、GPS搭載のProモデルと非搭載の無印モデルが存在します。
今回レビューした実機は、GPS搭載のProモデルです。
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