今回は骨伝導ワイヤレスイヤホンAfterShokz OpenMoveのレビューします。
AfterShokzは、骨伝導ワイヤレスイヤホンの専門とするアメリアのメーカーで、日本国内の骨伝導イヤホンの販売台数シェア81.2%をマークしています。
AfterShokzの販売展開は上位モデルとしてのAeropex、テレビ会議用のOpenComm、エントリーモデルのOpenMoveとなっています。
エントリーモデルだからといって、音質、使用感がハイエンドより劣っているのかなと思われそうですが、なんとハイエンドモデルAeropexやOpenCommと同じQCC3024というチップを使っているので、音質面や使用感はハイエンドのAeropexと遜色ないものになっています。
エントリーモデルということもあり、価格的にもAfterShokz Aeropexの半額程度の値段になっているので、AfterShokzのホンモノの骨伝導イヤホンを安価に体験することができます。
アマゾンで2,3千円で売っている耳元の小型スピーカーで音を鳴らしているだけなのに、骨伝導を謳うイヤホンとは比べ物にならないです。
当サイトではAeropex、OpenCommのレビューも行っていますので、どのモデルを選ぶのかの参考になればと思います。


AfterShokz OpenMove
提供: AfterShokz
スペック
搭載チップ: Qualcomm QCC3024 Bluetooth 5.0
対応コーデック: SBC
マイク: デュアルノイズキャンセリングマイク
マイク感度: -40dB ± 2dB
防水・防塵: IP55
重さ: 29g
バッテリー: 135mAh (約6時間持ち)
最大駆動時間: 最大10日
エントリーモデルながら、バッテリー以外は殆どAeropexと同じスペックになっています。

apt-XやAACなどの上位コーデックへの対応は、音質に関しては使用目的に重要視されないと思いますが、遅延に関係してくると思うので、対応してくれているともっと良かったのになと思いました。
Qualcomm QCC3024自体は、比較的新しく上位のチップであるため、apt-XやAACに対応しています。
ライセンスか電池持ちの兼ね合いで不採用となったのかもしれません。
外観
AfterShokzの製品は、他社の骨伝導イヤホンよりシンプルでスタイリッシュなデザインです。
パッケージ
パッケージには、2019年グッドデザイン賞、2021年VGP(オーディオビジュアルアワード)のシールが貼られています。
今回ご提供頂いたものは、正規代理店のFOCAL POINTからでした。
本体
正面から見るとこんな感じ
内側は技適などが書かれています。
後ろのワイヤーはチタン製で伸長性に優れているだけでなく、丈夫です。
ボタン類は右耳の下の方に音量の上下(上は電源オンなどを兼ねる)、カラーライン部分にあるマルチファンクションボタンだけです。
普通のイヤホンだとマルチファンクションボタンの長押しが、電源やペアリングになるのですが、AfterShokzでは「+」ボタンが、その機能を担当しています。
この仕様、電源を切る際に音量が一段階上がるので、やや微妙な気はします。
ちなみに、音量の上下は長押しでも一段階しか上がらない仕様です。
同封物
同封物は
- 本体
- 持ち運び用本体収納ケース
- Type-C充電ケーブル
- 耳栓
- 説明書とクイックスタートガイド
です。
収納ケースは布製のもので、質感は付属品の収納ケースとして普通という感じ。
充電はUSB-Aから供給してType-Cコネクタで本体を接続して行います。
ハイエンドモデルのAeropexやOpenCommでは独自のマグネット式コネクタが採用されていましたが、エントリーモデルにあたるOpenMoveではType-Cでの充電になっています。
防水性能を維持するためにキャップがついているので、充電ケーブルを接続するのが少し手間がかかります。
個人的には独自規格は持ち運びにの際に、ケーブルを忘れるとその機器が使えなくなるので、出来れば汎用規格の方が助かるので、たとえ手間がかかっても、この仕様をハイエンドモデルにも採用して欲しかったです。
装着感
エントリーモデルだからAeropexと装着感に違いがあるのかなと思っていましたが、Aeropexと遜色なく快適に使えました。
装着方法は簡単でアジャスターなどの面倒な調整は無く、開封したら耳に乗せるだけで装着完了です。

AfterShokz Aeropexと同じでスポーツやサイクリングなどの用途を想定しているので、テレビ会議用のOpenCommに比べると少し固めになっています。
音質・遅延・受信感度
Bluetoothイヤホンといえば、音質と遅延、安定性が何よりも気になりますが、AfterShokz OpenMoveの搭載チップがQualcomm QCC3024を採用しているので、非常に安定していて音質も良いです。
廉価モデルとはいえ、廉価チップを使わなかったAfterShokzの選択は素晴らしいです。
音質に関しては、骨伝導という特性の宿命とも言えるのですが、日頃よく利用しているSONY WF-1000XM3やSHURE SE215(現在はAONIC 215に名称変更)と比べると、PremiumPitch™2.0 +で低音がブーストされているとは言っても、それでも低音は少し弱いです。
もちろん、中音や高音はしっかり聞こえるので、経路案内などの音声を聞いたり、YouTubeで動画を見たり、移動や作業中の音楽視聴という目的では十分だと思います。
遅延は、SBCの中では少ない方だと思います。通話での利用とかでも遅延が気になることはありませんでした。上位チップを採用した効果があるな、という感じです。
個人的に結構驚きだったのが受信感度の良さです。PCから風呂場まで少し離れていて、しかも壁があるので、TWSイヤホンだと大体接続切れになっていました(Bluetoothアダプタはアンテナなしの700円程度の安物)。しかし、AfterShokz OpenMoveではしっかりと接続を維持していました。
音漏れ
単刀直入に書くと、多少の音漏れはします。
このことが少しでもあると気になる方は、一般的なイヤホンを買ったほうが良いと思います。
個人的には、どのくらい音漏れが起きているかが大事だと思っているのですが、電車の車両に乗っていて隣に人が乗ったとすると、「音が出ているものの何を聞いているのかは、耳を澄まして聞いても分からない」というレベルです。
音量によって、聞こえ具合が変わってくると思いますが、よっぽど静寂なところでない限りは、そもそも騒音があると思うので、気にする必要はない程度だと思います。
長時間利用
電池持ちはAfterShokz Aeropexに比べると少し悪いかなという感じです。
とはいえ、メーカー公称の連続起動時間は6時間となっていて、通勤や通学などなら丸一日充電が持つと思います。
装着感はAfterShokz Aeropexに近いので、4,5時間以上という長時間の連続利用の場合、締め付けが少し気になってきます。
長時間利用を前提として、骨伝導イヤホンを探しているならマイクを使用する、しないに関係なくOpenCommの方が良さそうです。
総括的な何か
エントリーモデルとはいえ、ハイエンドと遜色ないクオリティをしっかり出せているのは、さすが業界トップの専門メーカーAfterShokzだなという感じです。
骨伝導イヤホンに手を出してみようと思っているけど、値段がネックだという方は買っちゃって良いと思います。

BCNランキングによると、骨伝導イヤホンの中ではAfterShokzの独占状態です。
骨伝導イヤホンとして非常に完成度が高く、機能性も十分で、デザイン的にも優れているので、骨伝導イヤホンを選ぶ際に、これを選べば大きな不満は無いと思います。
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